高齢者のQOLと健康寿命

高齢化社会におけるQOLの重要性

日本は世界でも有数の高齢化社会であり、高齢者人口は増加の一途を辿っています。
人生100年時代と言われる現代において、高齢者がQuality of Life(QOL:生活の質)を高く維持し、
健康寿命を延伸することは、個人だけでなく社会全体にとっても重要な課題となっています。

QOLとは何か?


まずはQOLとは何か?について考えてみましょう。

WHOは、QOLを
個人が生活する文化や価値観のなかで、目標や期待、基準または関心に関連した自分自身の人生の状況に対する認識」と定義しています。

ちょっと、
わかるような、わからないような感じですね。

ここのポイントは、
自分自身の人生の状況に対する認識
です。

私たちが日々生きている環境の中で、
健康、日常生活の満足度、生きがい、人間関係、社会参加、自己実現、幸福感など、
様々な要素をどう感じるか。

つまり、
QOLは、自分の主観で「幸せか」「満足か」「充足か」などと感じているかどうか
ということになります。

「幸せ」「満足」「充足」と感じればQOLは高いと言えますし、
反対であれば、QOLは低いと言えます。

健康寿命とは何か?

では、健康寿命とは何でしょうか

健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく、自立して生活できる期間を指します。

健康寿命を延伸することは、高齢者がより長く健康で自立した生活を送るために重要な目標となります。

QOLと健康寿命の関係

QOLと健康寿命は密接な関係にあります。

QOLが高いほど健康寿命も延伸する傾向があり、健康寿命が延伸すればQOLも向上します。
互いに影響し合うこの二つの要素を高めることが、高齢者のWell-being(幸福)に繋がります。

介護予防の重要性

介護予防は、高齢者のQOLと健康寿命を維持・向上させるために不可欠な取り組みです。

適切な運動、バランスの取れた食事、社会参加、趣味活動など、様々な介護予防策を実践することで、
心身の機能低下を予防し、健康寿命を延伸することができます。

高齢者のQOLを高めるための具体的な方法

  1. 運動習慣の確立
    ウォーキング、ラジオ体操、水中運動など、無理のない範囲で継続できる運動習慣を身につけることが大切です。
  2. バランスの取れた食事
    栄養バランスを考慮した食事を心がけ、規則正しい食生活を送ることが重要です。
  3. 社会参加
    地域活動、ボランティア活動、趣味教室などに積極的に参加することで、
    社会との繋がりを維持し、生きがいを見つけることができます。
  4. 趣味活動
    音楽鑑賞、絵画、園芸など、心身のリフレッシュになる趣味を持つことがQOL向上に繋がります。
  5. 人間関係の構築
    家族や友人との交流を大切にし、地域社会との繋がりを深めることで、
    孤独感を解消し、精神的な安定を得ることができます。

まとめ

高齢者のQOLと健康寿命は、互いに密接に関連しています。

介護予防を積極的に行うことで、 QOLも同時に高めることができます。
高齢期になっても心身ともに健康で生きがいを持って生活できるようになるために、
その前から、生活習慣や地域との繋がり、趣味や生きがいを作ることが大切です。

参考文献・サイト

World Health Organaization WHO QOL: Measuring Quality of Life

https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tyojyu-shakai/koreisha-qol.html

この記事を書いた人

藤倉 健太のアバター 藤倉 健太 日本高齢者QOL学会 理事

・了德寺大学健康科学部整復医療トレーナー学科卒業
・柔道整復師/健康運動指導士/中学•高等学校教員免許
介護施設でのリハビリ(機能訓練)や体操指導を中心に、0〜106歳までの方々の健康を支えてきました。日本高齢者QOL学会の理事として、巷に溢れる健康情報を論文ベースにわかりやすく伝えていきます。

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