危険なサインを見逃さない!高齢者の脱水症状とチェック・対処法

夏の暑い時期だけでなく、
実は一年を通して注意が必要なのが、
高齢者脱水症状です。

高齢者は、
加齢による体の変化や、
日々の生活習慣から脱水に陥りやすく、
気づかないうちに重症化してしまうケースが少なくありません。

脱水は、
めまいやだるさだけでなく、
熱中症や脳梗塞、心筋梗塞といった
命に関わる病気のリスクを高めます。

このブログでは、
高齢者脱水がなぜ起こるのか、
見過ごされがちなサイン、
そして家庭でできる簡単なチェック方法と対処法を解説します。

大切なやご家族を
脱水から守るための知識を身につけていきましょう。


1. なぜ高齢者は脱水になりやすいのか?

高齢者脱水になりやすいのには、
以下のような理由があります。

  • 体内の水分量の減少
    加齢に伴い、
    体内の水分を蓄える筋肉量が減るため、
    水分を保持する能力が低下します。

  • 喉の渇きを感じにくい
    感覚機能の低下により、
    体内の水分が不足していても
    「喉が渇いた」という自覚が遅れがちです。

  • 腎機能の低下
    腎臓の機能が衰えると、
    尿を濃縮する能力が低下し、
    体内の水分が尿として必要以上に排出されてしまいます。

  • 食事量の減少
    食事から摂取する水分も、
    一日の水分量の大半を占めます。

    食欲の低下などから食事量が減ると、
    水分不足につながります。

  • トイレを気にして水分を控える
    「夜中にトイレに起きたくない」といった理由で、
    自主的に水分補給を控えてしまうことがあります。

2. 高齢者の脱水症状、見過ごしてはいけないサイン

高齢者脱水症状は、
自覚症状が少ないため、
周囲が注意深く観察することが重要です。

  • 初期症状
    • 食欲がない、元気がない
      なんとなく食事が進まない、
      一日中ぼーっとしている、
      といったサインが見られます。

    • 皮膚や口の中の乾燥
      口唇や舌が乾いていたり、
      皮膚がカサカサしていたりします。

    • 便秘
      体内の水分が不足すると、
      便が硬くなり、便秘になりやすくなります。

  • 中等度の症状
    • めまいやふらつき
      立ち上がった時にめまいがしたり、
      ふらつきやすくなったりします。

    • 手足がつる
      体内のミネラルバランスが崩れると、
      夜間に足がつったり、
      けいれんが起きたりすることがあります。
  • 重度の症状
    • 意識障害
      呼びかけへの反応が鈍くなったり、
      意識がもうろうとしたりします。

    • 血圧の低下
      重度の脱水では、
      血圧が急激に下がり、
      ショック状態に陥ることがあります。

3. 家庭でできる!脱水症状のチェック方法と対処法

以下は、
家庭で簡単にできる脱水のチェック方法です。

チェック方法

  • 皮膚のつまみ上げ
    手の甲の皮膚を数秒つまみ、離してみましょう。

    通常はすぐに元に戻りますが、
    脱水状態では戻るのに時間がかかったり、
    シワが残ったりします。

  • 舌の色と乾燥
    舌の色が白っぽかったり、
    乾いてザラザラしていたりする場合は、
    脱水が疑われます。

  • 尿の色の確認
    尿の色がいつもより濃い黄色である場合は、
    水分が不足しているサインです。

対処法

  • 軽度の場合(初期症状)
    • こまめな水分補給
      喉の渇きを感じる前に、
      時間を決めて水分を摂るように促しましょう。
    • 経口補水液の活用
      水分と塩分・糖分をバランス良く補給できる
      経口補水液は、特に有効です。
    • 食事の工夫
      ゼリーやスープなど、
      水分を多く含む食材や料理を取り入れましょう。

  • 重度の場合(中等度以上の症状)
    • 横にして休ませる
      意識がもうろうとしている場合は、
      涼しい場所に横にして休ませましょう。
    • 救急車を呼ぶ
      意識がない、呼びかけに反応しない、
      けいれんが止まらないなど、
      重度の症状が見られる場合は、
      すぐに救急車を呼び、
      医療機関で適切な処置を受けることが必要です。

まとめ

高齢者脱水は、
見過ごされがちな体のサインから始まります。

「喉の渇きを感じにくい」
「水分を摂りたがらない」
といった高齢者特有の状況を理解し、
日頃からこまめな水分補給や、
食事の工夫を促すことが、命を守ることにつながります。

このブログで紹介したサインやチェック方法を参考に、
大切なやご家族の健康をサポートしていきましょう。

この記事を書いた人

藤倉 健太のアバター 藤倉 健太 日本高齢者QOL学会 理事

・了德寺大学健康科学部整復医療トレーナー学科卒業
・柔道整復師/健康運動指導士/中学•高等学校教員免許
介護施設でのリハビリ(機能訓練)や体操指導を中心に、0〜106歳までの方々の健康を支えてきました。日本高齢者QOL学会の理事として、巷に溢れる健康情報を論文ベースにわかりやすく伝えていきます。

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