オーラルフレイルの基礎知識とお口の健康を守る対策

オーラルフレイル
という言葉を耳にしたことがありますか?

これは、
「口腔機能の虚弱」を意味し、
滑舌が悪くなる、食べ物がよくこぼれる、
硬いものが食べにくくなる、
といったささいな口の衰えを指します。

「年のせいだから仕方ない」
と見過ごされがちですが、
オーラルフレイルは、単なる口の衰えではありません。

放置すると、
全身の虚弱(フレイル)や低栄養
さらには認知機能の低下など、
深刻な健康問題に発展するリスクを秘めています。

このブログでは、
オーラルフレイルの基礎知識から、
放置することで陥る危険な健康状態、
そして今日からできる具体的な対策までを
分かりやすく解説します。

ささいな口の衰えに気づき、
健康な未来を守りましょう!


1. オーラルフレイルの基礎知識とチェックリスト

オーラルフレイルは、
以下のような小さなサインから始まります。

  • 滑舌の低下
    話すときに舌がもつれたり、
    聞き返されることが増えたりする。

  • 食べこぼし
    食事中に口から食べ物や飲み物がこぼれる。

  • 硬いものが食べにくい
    おせんべいやたくあんなど、
    以前は食べられた硬いものが食べにくくなる。

  • 口の中の乾燥
    口が渇く感じがする。

  • 食事の好みの変化
    硬い肉や野菜を避けるようになり、
    柔らかいものばかり選ぶようになる。

これらのサインに心当たりがある方は、
オーラルフレイルが始まっている可能性があります。


2. オーラルフレイルが進むと陥る健康状態

オーラルフレイルを放置すると、
以下のような負の連鎖に陥ることがあります。

  • 低栄養
    硬いものが食べられなくなることで、
    食事内容が偏り、必要な栄養素が不足します。

    特に、
    肉や魚といったタンパク質が不足すると、
    サルコペニア(筋肉減少症)や
    フレイル(虚弱)につながります。

  • 誤嚥性肺炎
    飲み込む力が衰えることで、
    食べ物や唾液が誤って気管に入り、
    細菌が肺に感染して
    誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高まります。

  • 認知機能の低下
    噛むことは、脳を刺激し、
    血流を良くする効果があります。

    噛む機能が低下すると、
    脳への刺激が減り、
    認知機能の低下につながる可能性があります。

  • 引きこもり
    会話がしにくくなったり、
    外食を避けたりすることで、
    人との交流が減り、
    社会性の低下うつのリスクが高まります。

3. 今日からできる!オーラルフレイル対策

オーラルフレイルは、
早期に気づき、対策を始めることで
予防・改善が可能です。

対策①: お口の体操で機能を高める

パタカラ体操」は、
口の周りの筋肉や舌を鍛えるのに効果的な体操です。

  • 「パ」: 唇を閉じる筋肉を鍛える。
  • 「タ」: 舌の先を動かす筋肉を鍛える。
  • 「カ」: 喉の奥を動かす筋肉を鍛える。
  • 「ラ」: 舌を奥から手前に動かす筋肉を鍛える。

これらを毎日繰り返すことで、
滑舌や飲み込む力の向上につながります。

対策②: 食事の工夫と栄養補給

  • 色々な食材を食べる
    柔らかいものばかりでなく、
    噛みごたえのある食材も少しずつ取り入れましょう。

  • タンパク質を意識
    肉、魚、卵、大豆製品など、
    筋肉を作るもととなるタンパク質を意識して摂りましょう。

  • 水分補給
    口腔内の乾燥を防ぐため、
    こまめに水分を摂る習慣をつけましょう。

対策③: 歯医者さんで定期健診

  • 口腔ケア
    歯周病や虫歯があると、噛む力が低下します。

    定期的に歯科医院でクリーニングを受け、
    お口の中を清潔に保ちましょう。

  • 専門家のアドバイス
    歯医者さんでは、
    オーラルフレイルの評価や、
    一人ひとりに合った口腔機能訓練の
    アドバイスを受けることができます。

まとめ

オーラルフレイルは、
全身の健康を左右する重要なサインです。

「単なる口の衰え」と軽視せず、今日から
「お口の体操」「食事の工夫」「定期的な歯科健診」
を意識して、オーラルフレイルを予防・改善しましょう!

お口の健康を守ることが、
元気な体と豊かな生活を保つための第一歩です。

この記事を書いた人

藤倉 健太のアバター 藤倉 健太 日本高齢者QOL学会 理事

・了德寺大学健康科学部整復医療トレーナー学科卒業
・柔道整復師/健康運動指導士/中学•高等学校教員免許
介護施設でのリハビリ(機能訓練)や体操指導を中心に、0〜106歳までの方々の健康を支えてきました。日本高齢者QOL学会の理事として、巷に溢れる健康情報を論文ベースにわかりやすく伝えていきます。

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