日本高齢者QOL学会設立のご挨拶と展望
2025年、団塊世代がすべて75歳以上となる「2025年問題」を目前に控え、日本の高齢者人口はさらなる増加が予測されています。これに伴い、医療・介護の負担増大、孤立化、生活の質の低下といった多様な課題が深刻化することが懸念されています。
こうした課題に対して、私たちは 「高齢者のQOL(生活の質)」を向上させることこそが、持続可能な社会を築く鍵である と確信しています。QOLの向上は単なる医療や福祉サービスの改善に留まらず、高齢者一人ひとりがその能力や可能性を発揮し、喜びを持って暮らせる環境づくりを意味します。
この理念を基盤に、私たちは「日本高齢者QOL学会」を設立する運びとなりました。本学会のミッションは以下の通りです:
1. 高齢者の幸福と自立を支える社会の実現
高齢者が身体的・精神的健康を保ちながら、地域社会や家庭の中で意義ある生活を送れるよう、多角的な取り組みを推進します。
2. 医療・介護・福祉の枠を超えた連携の促進
医療従事者、介護スタッフ、福祉関係者、行政、企業、そして地域住民が一体となり、課題解決に向けた協働を進めます。
3. 研究と政策提言の拠点化
学術研究や現場の実践を通じて得られる知見を社会に還元し、実効性の高い政策提言や啓発活動を展開します。
4. 高齢者の声を反映するプラットフォームの提供
高齢者自身の意見や要望を重視し、それを学会活動や社会全体の取り組みに反映させる仕組みを構築します。
この学会の最大の可能性は、社会全体の意識を変えること にあります。高齢者は「支援が必要な存在」という固定観念から解き放たれ、その知恵や経験が社会の中で活用されるような未来を描いています。
私たちは、日本社会が高齢者にとってより良い環境を提供できるよう、そして次世代へより豊かな社会を継承できるよう努力を重ねていきます。学会への参加を通じて、多くの方々と共にこの未来を築いていければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
日本高齢者QOL学会 代表