高齢者の睡眠の特徴と安眠のためのヒント

「最近、夜中に何度も目が覚めてしまう」
「朝早くに目が覚めて、それから眠れない」

このような睡眠の悩みは、
高齢者の多くが抱える共通の課題です。

加齢に伴う体の変化によって、
高齢者の睡眠は若い頃とは異なる特徴を持つようになります。

しかし、
「年だから仕方ない」と
諦めてしまうのはもったいないことです。

睡眠は、
心身の疲労回復や認知機能の維持に不可欠です。

このブログでは、
高齢者の睡眠がなぜ変化するのか、
その特徴と、安眠のための具体的なヒントを解説します。


1. 高齢者の睡眠、4つの主な特徴

高齢者の睡眠は、
以下の4つの特徴を持つようになります。

  • 眠りが浅くなる
    加齢に伴い、深い睡眠(ノンレム睡眠)が減り、
    浅い睡眠が増えます。

    これにより、
    ちょっとした物音や尿意で目が覚めやすくなります。

  • 中途覚醒が増える
    一度眠りについても、夜中に何度も目が覚める
    「中途覚醒」が増えます。

    これは、
    眠りのリズムが不安定になることや、
    夜間頻尿が主な原因です。

  • 入眠までに時間がかかる
    なかなか寝つけない「入眠困難」
    を訴える方も増えます。

    これは、
    日中の活動量が減り、
    疲労が溜まりにくくなることが一因と考えられます。

  • 朝早く目が覚める
    予定よりも早く目が覚めてしまい、
    その後再び眠れなくなる「早朝覚醒」
    も高齢者に多く見られます。

    これは、
    体内時計が前倒しになることや、
    睡眠を誘うホルモン「メラトニン」
    の分泌量が減ることが原因です。

2. なぜ睡眠の質が変化するのか?

これらの変化は、
病気だけでなく、
加齢による体の自然な変化が大きく影響しています。

  • メラトニン分泌量の低下
    眠気を誘うホルモン「メラトニン」
    の分泌量は、加齢とともに減少します。

  • 体内時計の変化
    体内時計の働きが弱まり、
    朝日を浴びても体内時計がリセットされにくくなります。

  • 日中の活動量減少
    家にいる時間が増え、
    日中の活動量が減ると、
    夜に十分な疲労感が得られにくくなります。

  • 持病や薬の影響
    高血圧や前立腺肥大といった持病や、
    常用している薬の副作用が、
    不眠につながることがあります。

3. 今日からできる!安眠のための3つのヒント

「年のせいだから仕方ない」
と諦める必要はありません。

少しの工夫で、睡眠の質を改善できます。

  • ヒント1
    日中に適度な活動をウォーキングやガーデニング、
    体操など、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。

    これにより、
    適度な疲労感が得られ、
    夜にスムーズに入眠しやすくなります。

  • ヒント2
    朝に太陽の光を浴びる起きたらすぐにカーテンを開けて、
    太陽の光を浴びましょう。

    光が目に入ると、
    体内時計がリセットされ、
    夜にメラトニンがスムーズに分泌されます。

  • ヒント3
    就寝前の環境を整える就寝前の1〜2時間は、
    テレビやスマートフォンの強い光を避け、
    リラックスできる環境を整えましょう。

    ぬるめのお湯にゆっくり浸かる、
    ストレッチをする、ハーブティーを飲むなども効果的です。

まとめ

高齢者の睡眠は、
若い頃とは異なる特徴を持ちます。

しかし、
その原因を理解し、
日々の生活習慣を少し見直すだけで、
睡眠の質は確実に改善できます。

このブログで紹介したヒントを参考に、
心と体をいたわり、
ぐっすり眠れる毎日を目指しましょう!

この記事を書いた人

藤倉 健太のアバター 藤倉 健太 日本高齢者QOL学会 理事

・了德寺大学健康科学部整復医療トレーナー学科卒業
・柔道整復師/健康運動指導士/中学•高等学校教員免許
介護施設でのリハビリ(機能訓練)や体操指導を中心に、0〜106歳までの方々の健康を支えてきました。日本高齢者QOL学会の理事として、巷に溢れる健康情報を論文ベースにわかりやすく伝えていきます。

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