認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の特徴と改善策

「最近、物忘れがひどくて…」

と感じていませんか?

それは単なる加齢による物忘れではなく、
軽度認知障害(MCI)かもしれません。

MCIは、認知症と診断される前の、
いわば「グレーゾーン」の状態です。

この段階で適切な対策を取れば、
認知症への進行を防いだり、
遅らせたりできる可能性が高まります。

このブログでは、
MCIの主な特徴から、その原因、
そしてすぐに始められる改善策までを詳しく解説します。

自分や大切な家族の「あれ?」に気づき、
早めの対策で、健康な脳を維持していきましょう!


1. 軽度認知障害(MCI)とは?

軽度認知障害(MCI)とは、
物忘れなどの認知機能に問題が生じているものの、
日常生活には支障がない状態を指します。

認知症と異なり、
MCIは以下の3つの条件を満たします。

  • 本人や家族から物忘れなどの記憶障害の訴えがある
  • 記憶力テストなどで客観的に見て記憶障害が認められる
  • 日常生活には支障がない

MCIと診断された人のうち、
年間で約10〜15%が認知症に進行すると言われています。

しかし、
逆にMCIから健常な状態に戻る人もいるため、
早期の対策が非常に重要になります。

2. 軽度認知障害(MCI)の主な特徴

MCIのサインは、
日常の些細な言動に現れることがあります。

これらの特徴を理解しておくことで、
早期発見につながります。

  • 新しいことが覚えられない: 最近あった出来事や、数日前の食事の内容などを思い出せない。
  • 物の置き場所を忘れる: よく使うリモコンや鍵などをどこに置いたか忘れてしまう。
  • 同じ話を何度も繰り返す: 先ほど話した内容を、忘れてまた同じように話してしまう。
  • 段取りが悪くなる: 買い物リストを作る、料理の手順を考えるといったことが苦手になる。
  • 会話についていけない: 複数の人が話す場面で、会話の内容を理解するのが難しくなる。

ただし、
これらの特徴は誰にでも起こり得ることです。

重要なのは、
以前に比べて頻度が増えたり、
周囲から指摘されることが多くなったりした
場合に注意することです。


3. MCIの改善につながる!今日からできる4つの対策

MCIの段階で生活習慣を見直すことは、
認知機能の維持・改善に非常に効果的です。

対策1:適度な運動で脳を活性化する

運動は、脳の血流を良くし、
神経細胞を活性化させます。

  • 有酸素運動
    ウォーキングジョギング、水泳など、
    心拍数が少し上がる程度の運動を
    週に2〜3回30分程度行いましょう。

  • 筋力トレーニング
    スクワットや軽い腹筋運動も、
    全身の血流を促すのに役立ちます。

対策2:バランスの取れた食事を心がける

脳の健康は、毎日の食事から作られます。

  • DHA・EPAを摂取
    サバやアジなどの青魚に多く含まれる
    DHA・EPAは、脳細胞を保護し、
    情報伝達をスムーズにする働きがあります。

  • 抗酸化作用のある食品
    野菜や果物、ナッツ類に多く含まれる
    ビタミンCビタミンEは、
    脳の酸化ストレスを防ぎます。

  • 地中海式食
    野菜、果物、魚介類、オリーブオイルなどを
    中心とした地中海式食は、
    MCI認知症の予防に効果的だとされています。

対策3:脳に新しい刺激を与える

脳は、新しい情報や経験で活性化します。

  • 趣味や学習
    読書やパズル、料理、楽器の演奏など、
    これまでやったことのないことに挑戦してみましょう。

  • 社会交流
    友人や家族との会話、
    地域のコミュニティ活動への参加は、
    脳の言語野前頭葉を刺激します。

対策4:質の良い睡眠を確保する

睡眠は、
脳の疲労回復と記憶の整理に不可欠です。

  • 睡眠時間の確保
    毎日7〜8時間の睡眠を目標にしましょう。

  • 睡眠環境の整備
    寝室の温度や湿度を快適に保ち、
    就寝前のカフェイン摂取やスマートフォンの使用を避けましょう。

まとめ

軽度認知障害(MCI)は、
必ず認知症に移行するわけではありません。

このタイミングで気がつき、
自分の生活習慣を見直し、
より健康的な未来への一歩を踏み出すための大切なサインです。

もし「あれ?」と感じたら、
まずはかかりつけ医や専門の医療機関に相談してみましょう。

そして、
このブログで紹介した改善策を、
焦らず、楽しみながら日々の生活に取り入れてみてください。

この記事を書いた人

藤倉 健太のアバター 藤倉 健太 日本高齢者QOL学会 理事

・了德寺大学健康科学部整復医療トレーナー学科卒業
・柔道整復師/健康運動指導士/中学•高等学校教員免許
介護施設でのリハビリ(機能訓練)や体操指導を中心に、0〜106歳までの方々の健康を支えてきました。日本高齢者QOL学会の理事として、巷に溢れる健康情報を論文ベースにわかりやすく伝えていきます。

目次