意外と知らない?夜間の熱中症発生の特徴と対策

熱中症」と聞くと、
炎天下でのスポーツや屋外作業を想像しがちですが、
実は多くの熱中症が室内で、
特に夜間に発生していることをご存知でしょうか?

複数の報告によると、
熱中症の約4割が夜間や睡眠中に発生していると言われています。

これは、
日中に蓄積された熱が夜になっても体内に残り、
寝ている間に脱水が進むことで、
気づかないうちに熱中症の症状が進行してしまうためです。

特に高齢者や小さな子どもは、
夜間の体温調節機能が弱いため、
より一層注意が必要です。

このブログでは、
なぜ夜間熱中症が発生しやすいのか、
その特徴と、命を守るための具体的な対策を解説します。

今日からできるちょっとした工夫で、
安全な夜を過ごしましょう!


1. なぜ夜間に熱中症が起こるのか?

日中だけでなく、
夜間熱中症のリスクが高いのには、
いくつかの理由があります。

  • 体内に蓄積された熱が放出されない
    日中に受けた熱が体内に残り、
    夜になっても気温が下がらないと、
    体温が下がらずに熱がこもってしまいます。

  • 寝ている間の大量発汗
    私たちは寝ている間に、
    コップ1杯分(約200ml)もの汗をかきます。

    室温や湿度が高いと、
    さらに多くの汗をかくため、
    脱水状態に陥りやすくなります。

  • 就寝前の水分補給不足
    「夜中にトイレに行きたくない」という理由から、
    就寝前の水分補給を控える人が多いですが、
    これが脱水を加速させます。

  • 自覚症状が出にくい
    寝ている間は、
    めまいや頭痛といった熱中症の初期症状に
    気づくことができません。

    気づいた時には意識障害や痙攣といった
    重い症状になっていることもあります。

2. 夜間の熱中症、見過ごされがちなサイン

夜間熱中症が進行している場合、
以下のようなサインが見られることがあります。

  • 寝苦しさ
    寝返りを何度も打つ、息苦しそうにしている。

  • 大量の寝汗
    起きた時にパジャマやシーツがびっしょり濡れている。

  • 起床時の体調不良
    朝起きた時に、めまいや吐き気、強いだるさを感じている。

  • 手足がつる
    寝ている間に「こむら返り」が頻繁に起きる。

  • 意識の変化
    朝になってもぼんやりしている、呼びかけへの反応が鈍い。

特に高齢者や小さな子どもは、
これらのサインを自分で伝えることが難しいため、
周囲の人が見守ることが非常に重要です。


3. 今すぐできる!夜間の熱中症を防ぐための対策

夜間熱中症は、
少しの工夫で十分に予防できます。

  • 就寝前の水分補給を忘れずに
    寝る前にコップ1杯の水を飲みましょう。

    これにより、
    寝ている間の脱水をある程度防ぐことができます。

  • エアコンを適切に使う
    暑さを我慢せず、エアコンを使いましょう。

    タイマー機能を使う場合は、
    起床する少し前に切れるように設定するか、
    一晩中つけっぱなしにしても大丈夫です。

    室温の目安は26〜28℃です。

  • 扇風機を併用する
    扇風機を体の数m離れた場所に置き、
    風を体に当てることで、汗の蒸発を促し、
    体温を下げる効果があります。

  • 寝具やパジャマを工夫する
    吸湿性や通気性の良い素材(麻や綿など)
    の寝具やパジャマを選びましょう。

  • 寝る前に入浴する
    ぬるめのシャワーや湯船に浸かることで、
    体の表面温度を下げ、入眠しやすくなります。

  • 寝室の換気を促す
    寝る前に窓を開けて、
    室内の熱い空気を入れ替えておきましょう。

まとめ

夜間熱中症は、自覚症状が出にくく、
気づいた時には重症化しているリスクがあります。

日中と同じように、
夜間の暑さにも十分注意することが大切です。

このブログで紹介した対策を参考に、
エアコンや水分補給、寝具の工夫など、
できることから始めてみましょう。

高齢者や小さな子どもがいるご家庭では、
特に注意して見守ることが重要です。

安全な夜を過ごし、
健やかな毎日を送るために、
今日から夜間熱中症対策を始めてみませんか。

この記事を書いた人

藤倉 健太のアバター 藤倉 健太 日本高齢者QOL学会 理事

・了德寺大学健康科学部整復医療トレーナー学科卒業
・柔道整復師/健康運動指導士/中学•高等学校教員免許
介護施設でのリハビリ(機能訓練)や体操指導を中心に、0〜106歳までの方々の健康を支えてきました。日本高齢者QOL学会の理事として、巷に溢れる健康情報を論文ベースにわかりやすく伝えていきます。

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