「認知症」と一言で言っても、
実はいくつかの種類があり、
それぞれに異なる特徴や症状が現れます。
認知症について正しく理解することは、
ご本人やご家族が適切なケアを受けるための第一歩となります。
このブログでは、
代表的な認知症の種類とその特徴を分かりやすく解説します。
大切な親やご家族の「あれ?」に気づき、
早めの対応を始めるためのヒントを見つけていきましょう。
1. アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、
認知症の中で最も患者数が多いタイプです。
脳に「アミロイドβ」や「タウ」という特殊なタンパク質が溜まり、
神経細胞を壊してしまうことで起こると言わています。
- 主な症状
- 記憶障害
新しい出来事を覚えられなくなったり、
最近の記憶が抜け落ちたりします。
例えば、
朝食を食べたこと自体を忘れてしまう、などです - 見当識障害
時間や場所、人物が分からなくなります。
「今日は何月何日?」「ここはどこ?」
といった混乱が見られます。 - 実行機能障害
物事の段取りを考えたり、
計画を立てたりすることが難しくなります。
料理の手順が分からなくなる、などです。
- 記憶障害
個人差はありますが、
比較的ゆっくりと時間をかけて進行することが特徴です
2. 血管性認知症
血管性認知症は、
脳梗塞や脳出血といった脳の血管の病気によって、
神経細胞が壊死することで起こります。
- 主な症状
- まだら認知症
認知機能の低下が均一ではなく、
「できること」と「できないこと」がまだらに現れます。 - 感情の起伏
感情のコントロールが難しくなり、
急に泣いたり笑ったりする感情失禁が見られることがあります。 - 意欲の低下
何事にも興味を示さなくなり、
自発的な行動が減ることがあります。
- まだら認知症
脳の病変が起こるたびに、
階段状に症状が悪化することが特徴です。
3. レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、
脳内に「レビー小体(α-シヌクレイン)」という
特殊なタンパク質が溜まることで起こります。
- 主な症状
- 幻視
実際にはないものが見える幻視の症状が、
初期からよく現れます。
「部屋に誰かいる」「虫が這っている」など - パーキンソン症状
手足の震え、筋肉のこわばり、
歩行障害といったパーキンソン病に似た症状が見られます。 - 意識レベルの変動
意識がはっきりしている時と、
ぼんやりしている時とが
短時間で繰り返されることがあります。
- 幻視
症状の変動が大きいことが特徴です
4. 前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症は、
脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで起こります。
- 主な症状
- 行動・人格の変化
抑制が効かなくなり、
万引きなどの反社会的な行動や、
場の空気を読まない発言が見られることがあります。 - 常同行動
毎日同じ時間、同じ道を通るなど、
同じ行動を繰り返すことがあります。 - 言語機能の低下
言葉が出てこなくなったり、
言葉の意味が分からなくなったりします。
- 行動・人格の変化
比較的若い年齢で発症することがあり、
アルツハイマー型認知症よりも症状の進行が早い傾向があります
まとめ
認知症の種類によって、
現れる症状や進行の仕方は様々です。
大切なのは、
「物忘れ」という表面的な症状だけでなく、
行動や言動の変化にも注意を払うことです。
早期に異変に気づき、
専門医を受診して適切な診断を受けることが、
ご本人とご家族の穏やかな生活につながります。
このブログが、
認知症に対する理解を深める一助となれば幸いです。