【最新情報】認知症予防のカギは脳を活性化する習慣

「最近、物忘れが多くなった気がする」

「将来、認知症になったらどうしよう…」

そうした不安を抱える高齢者の方や、
そのご家族は少なくないでしょう

認知症は、誰もが直面する可能性のある課題ですが、
最新の研究では、日々の生活習慣を意識的に変えることで、
その発症リスクを減らし、
進行を遅らせることができると示されています

このブログでは、
高齢者の皆さんがQOL(Quality of Life:生活の質)を維持し、
より長く健康的で充実した毎日を送るために、
脳を活性化する具体的な習慣と、
その認知症予防効果について、
最新の知見を交えて詳しく解説します


1. なぜ今、認知症予防が重要なのか?

日本は世界でも類を見ない超高齢社会を迎えており、
それに伴い認知症患者の数も増加の一途をたどっています

厚生労働省の推計では、
2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると言われています

認知症は、
記憶力や判断力の低下だけでなく、
日常生活に支障をきたし、
ご本人だけでなく、介護をするご家族の負担も大きくなります

そのため、
発症を遅らせ進行を緩やかにすることは、
ご本人のQOLを保つ上で極めて重要です

そして、
その鍵を握るのが「予防」の考え方です


2. 最新の知見:認知症予防の鍵は「生活習慣」にあり

かつては
認知症は老化現象の一部で、防ぎようがない」
と考えられていましたが、

近年の研究により、
生活習慣病の管理や、知的活動、身体活動、社会参加などが
認知症リスクに大きく関わることが明らかになってきました

世界保健機関(WHO)も、
認知症のリスク低減に向けた具体的なガイドラインを発表しています

それでは、
具体的にどのような習慣が脳を活性化し、
認知症予防に繋がるのでしょうか


3. 脳を活性化する具体的な習慣:豊かなQOLのための7つの柱

3-1. 身体活動:脳と体を同時に鍛える

定期的な運動は、
脳の血流を改善し、神経細胞の成長を促すことが分かっています

  • ウォーキングや有酸素運動
    毎日30分程度のウォーキングや、水泳、サイクリングなどの
    有酸素運動は、脳の記憶を司る海馬の体積を増やす効果が期待されます
  • 筋力トレーニング
    スクワットや軽いダンベル体操など、
    全身の筋肉を使う運動も脳に良い影響を与えます
  • バランス運動
    片足立ちや太極拳など、バランス感覚を養う運動は、
    転倒予防だけでなく、脳の複数の領域を同時に使うため、
    認知機能の維持にも役立ちます
  • ストレッチ
    ストレッチやヨガなどの柔軟性を高める運動を行うことで
    怪我の予防や血流の促進などの効果が得られます

上記のような多要素を含む運動は
マルチコンポーネント運動と呼ばれ
高齢者に特に推奨されています

例えば
太極拳やラジオ体操などがそれにあたります

3-2. 知的活動:脳に新しい刺激を与える

新しいことを学び、脳を使い続けることが重要です

  • 趣味や学習の継続
    読書、計算、パズル、手芸、楽器演奏、絵画、外国語学習など、
    自分が楽しめる知的活動を続けることで、
    脳の異なる領域が活性化されます
  • デジタル機器の活用
    スマートフォンやタブレットを使ったニュースチェック、
    オンライン講座の受講、脳トレアプリ、SNSでの交流なども、
    脳に新たな刺激を与えます

    新しい技術に挑戦することは、脳の柔軟性を保ちます
  • 料理や旅行の計画
    日常生活の中での工夫も脳トレになります

    例えば、
    慣れないレシピに挑戦したり、
    旅行の計画を立てたりすることも、
    思考力や記憶力を養います

3-3. 食生活:脳に良い栄養素を積極的に摂取する

食生活は、
生活習慣病の予防だけでなく、脳の健康にも直結します

  • 地中海式食事パターン
    野菜、果物、全粒穀物、魚、ナッツ、オリーブオイルなど
    を中心とした食事は、
    認知症リスクを低減すると言われています
  • DHA・EPA(オメガ3脂肪酸)
    青魚(サバ、イワシなど)に多く含まれるDHAやEPAは、
    脳の神経細胞の機能を維持し、
    情報伝達をスムーズにする働きがあります
  • 抗酸化作用のある食品
    緑黄色野菜、ベリー類、緑茶などに含まれる
    ポリフェノールやビタミンC、Eは、
    脳の酸化ストレスを軽減し、老化を防ぐ効果が期待されます
  • 減塩・減糖
    塩分や糖分の過剰摂取は、
    高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高め、
    間接的に認知症リスクにも繋がるため、
    控えめにすることが重要です

3-4. 社会参加:人との交流で心を豊かに

人との交流は、
脳を活性化し、ストレスを軽減する効果があります

  • 友人や家族との交流
    定期的に友人や家族と会話をしたり、
    一緒に外出したりすることは、
    孤独感を解消し、精神的な健康を保ちます
  • 地域活動・ボランティア
    地域のお祭りや清掃活動に参加したり、
    ボランティア活動に携わったりすることで、
    社会とのつながりを感じ、役割意識を持つことができます
  • 趣味のサークル活動
    同じ趣味を持つ仲間との交流は、
    知的好奇心を刺激し、活動へのモチベーションを高めます

    SNSなどの
    デジタルツールを活用してオンラインで交流することも有効です

3-5. 睡眠:脳を休ませ、記憶を定着させる

質の良い睡眠は、
脳の老廃物を除去し、記憶を定着させるために不可欠です

  • 規則正しい睡眠習慣
    毎日決まった時間に就寝・起床し、睡眠リズムを整えましょう
  • 快適な睡眠環境
    寝室は暗く静かにし、適温を保つことで、質の良い睡眠を促します
  • 日中の適度な運動
    日中に身体を動かすことで、夜間の睡眠の質が向上します
  • カフェインやアルコールの制限
    寝る前のカフェインやアルコールの摂取は、
    睡眠を妨げる原因となるため、控えめにしましょう

3-6. ストレス管理:心と脳の健康を守る

過度なストレスは、
脳の機能に悪影響を与えることが知られています

  • リラックス法の実践
    深呼吸、瞑想、ヨガ、アロマセラピーなど、
    自分に合ったリラックス法を見つけ、日常的に取り入れましょう
  • 趣味や楽しみの時間
    ストレス発散になるような
    趣味や楽しみの時間を意識的に作りましょう
  • 相談できる相手を持つ
    悩みや不安を一人で抱え込まず、
    家族や友人、専門家などに相談することも大切です

3-7. 生活習慣病の管理:脳を守るための土台作り

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、
認知症のリスクを高めることが明らかになっています

  • 定期的な健康診断
    定期的に健康診断を受け、
    自身の健康状態を把握しましょう
  • 主治医との連携
    診断された場合は主治医の指示に従い、
    適切に治療を受け、病状を管理することが重要です
  • 適切な服薬
    処方された薬は指示通りに服用し、
    自己判断で中止しないようにしましょう

4. 支援者・家族ができること:共に歩む認知症予防

高齢者認知症予防は、
ご本人の努力だけでなく、
支援者やご家族の理解と協力が不可欠です

  • 情報提供と動機付け
    最新の認知症予防に関する情報を共有し、
    なぜこれらの習慣が大切なのかを分かりやすく伝えましょう

    そして、
    無理なく続けられるようなポジティブな動機付けを心がけましょう
  • 一緒に行動する
    一緒にウォーキングに出かけたり、
    新しい趣味を始めたり、健康的な食事を準備したりするなど、
    ご家族が共に実践することで、
    高齢者のモチベーションは大きく高まります
  • デジタル活用のサポート
    スマートフォンやタブレットの操作方法を教えたり、
    SNSへの参加を促したりするなど、
    デジタルツールを認知症予防に役立てるためのサポートを行いましょう
  • 変化への気づきと早期相談
    以前と比べて変化が見られた場合は、
    ご本人を責めるのではなく、まずは優しく寄り添い、
    地域包括支援センターや専門医に早めに相談することが大切です

まとめ:今日から始める、脳と心の健康習慣

認知症は、
誰にとっても不安なテーマですが、
決して諦める必要はありません

最新の研究が示すように、
日々の生活習慣を見直し、
脳を活性化する習慣を意識的に取り入れることで、
そのリスクを低減し、高齢者としてのQOLを大きく向上させることができます

身体活動、知的活動、食生活、社会参加、睡眠、ストレス管理、
そして生活習慣病の管理

これら7つの柱をバランス良く実践することが、
認知症予防のカギとなります!

今日からできる小さな一歩を始めてみませんか?

豊かな未来のために、
脳と心の健康習慣を共に実践していきましょう

そして、
もし不安を感じたら、一人で抱え込まず、
いつでも専門機関やご家族に相談してください


この記事を書いた人

藤倉 健太のアバター 藤倉 健太 日本高齢者QOL学会 理事

・了德寺大学健康科学部整復医療トレーナー学科卒業
・柔道整復師/健康運動指導士/中学•高等学校教員免許
介護施設でのリハビリ(機能訓練)や体操指導を中心に、0〜106歳までの方々の健康を支えてきました。日本高齢者QOL学会の理事として、巷に溢れる健康情報を論文ベースにわかりやすく伝えていきます。

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