アルツハイマー型認知症の基礎知識:特徴から治療・予防法まで

アルツハイマー型認知症は、
認知症の中で最も患者数が多い病気です。

この病気について正しく理解することは、
ご本人やご家族が適切なケアを受け、
穏やかな生活を送るために不可欠です。

このブログでは、
アルツハイマー型認知症の基本的な特徴から、
現在行われている治療法、
そして日常生活で実践できる予防法や対処法について、
分かりやすく解説します。


1. アルツハイマー型認知症の基本的な特徴

アルツハイマー型認知症は、
脳にアミロイドβタウという異常なたんぱく質が蓄積し、
神経細胞が徐々に破壊されていくことで発症すると言われています。

  • 主な症状
    • 記憶障害
      新しい出来事を覚えられなくなったり、
      数分前のことを忘れたりする短期記憶の障害が初期に現れます。

    • 見当識障害
      時間、場所、人物が分からなくなります。

      「今日は何月何日か」「ここはどこか」
      といった混乱が見られます。

    • 実行機能障害
      計画を立てたり、物事を順序立てて行ったりすることが
      難しくなります。

      例えば、
      料理の手順が分からなくなるなどです。

これらの症状はゆっくりと時間をかけて進行していくことが特徴です。

個人差はありますが、
比較的ゆっくりと進行していくことが特徴です


2. 現在の治療法

アルツハイマー型認知症
根本的な治療法はまだ確立されていませんが、
症状の進行を緩やかにしたり、
周辺症状(BPSD)を改善したりするための治療が行われています。

  • 薬物療法
    • 進行抑制薬
      脳内の神経伝達物質を調整することで、
      記憶力や実行機能の低下を緩やかにする薬があります。

    • BPSD改善薬
      興奮やうつ症状、幻覚といった
      周辺症状を和らげる薬が処方されることがあります。


  • 非薬物療法
    • 認知リハビリテーション
      脳に刺激を与えるレクリエーションや、
      残された機能を活かす訓練を行います。

    • 回想法
      昔の写真や思い出の品などを使って、
      過去の記憶を振り返ることで、脳を活性化させます。

3. 日常生活でできる予防法

アルツハイマー型認知症は、
早期の予防が重要です。

日々の生活習慣を見直すことで、
発症リスクを下げることができます。

  • 適度な運動
    ウォーキングなどの有酸素運動は、
    脳の血流を良くし、
    神経細胞の新生を促すBDNFという物質を増加させます。

  • バランスの取れた食事
    魚介類に含まれるDHA・EPAや、
    野菜・果物に含まれる抗酸化物質は、
    脳の健康維持に役立ちます。

  • 脳に新しい刺激を与える
    読書やパズル、趣味の学習、
    新しい場所への旅行など、
    知的好奇心を持ち続けることが大切です。

  • 質の良い睡眠
    睡眠中に脳の老廃物が除去され、記憶が整理されます。

    7〜8時間の質の良い睡眠を確保しましょう。

4. 介護における適切な対処法

ご家族がアルツハイマー型認知症と診断された場合、
適切な対処法を知ることで、
互いのストレスを減らすことができます。

  • 否定しない
    「さっき食べたばかりでしょ」
    などと正論をぶつけず、
    ご本人の混乱や不安に共感する姿勢が大切です。

  • 安心できる環境を整える
    ご本人が慣れ親しんだ環境を維持し、
    不安を軽減させましょう。

  • 専門家を頼る
    一人で抱え込まず、
    地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、
    介護サービスを積極的に活用しましょう。

まとめ

アルツハイマー型認知症は、
誰にでも起こりうる病気です。

しかし、
その特徴を正しく理解し、
早期に適切な対策を講じることで、
ご本人もご家族も、穏やかで自分らしい生活を
送り続けることができます。

このブログが、
アルツハイマー型認知症への理解を深める一助となれば幸いです。

この記事を書いた人

藤倉 健太のアバター 藤倉 健太 日本高齢者QOL学会 理事

・了德寺大学健康科学部整復医療トレーナー学科卒業
・柔道整復師/健康運動指導士/中学•高等学校教員免許
介護施設でのリハビリ(機能訓練)や体操指導を中心に、0〜106歳までの方々の健康を支えてきました。日本高齢者QOL学会の理事として、巷に溢れる健康情報を論文ベースにわかりやすく伝えていきます。

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