災害時の避難所生活:高齢者が注意すべき健康リスクと対策

大規模な自然災害が発生すると、
自宅での生活が困難になり、
避難所で過ごすことを余儀なくされる場合があります。

しかし、
避難所での集団生活は、
高齢者だけでなく
私たちにとって慣れない環境であり、
心身に大きな負担がかかります。

特に、
エコノミークラス症候群感染症
精神的なストレスといった健康リスクが高まります。

このブログでは、
高齢者が避難所生活を安全に乗り切るために、
特に注意すべき健康リスクと、
今日からできる具体的な対策を解説します。

災害はいつ起こるかわかりません。

いざという時のために、
正しい知識を身につけ、備えをしておきましょう!


1. 避難所生活で高齢者が注意すべき3つの健康リスク

リスク1:エコノミークラス症候群

避難所では、
体育館の床や狭いスペースで
長時間同じ姿勢で過ごすことが多くなります。

これにより、
足の血行が悪くなり、
深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
を引き起こすリスクが高まります。

  • 主な症状
    足のふくらはぎの痛みや腫れ、むくみなど

  • 予防策
    • こまめに体を動かす
      1時間ごとに立ち上がって歩いたり、
      座ったままでも足首を回したり、
      ふくらはぎをマッサージしたりしましょう。

    • 水分補給
      脱水状態になると血がドロドロになり、
      血栓ができやすくなります。

      喉の渇きを感じなくても、
      こまめに水分を摂ることが大切です。

リスク2:感染症と誤嚥性肺炎

多くの人が集まる避難所では、
インフルエンザやノロウイルスなどの
感染症が広がりやすくなります。

さらに、
高齢者の場合は、
口の中の環境悪化による誤嚥性肺炎のリスクも高まります。

  • なぜリスクが高まるのか?
    • 口腔ケアの不足
      歯磨きがしにくく、
      口腔内が不潔になりがちです。

    • ストレスや疲労
      疲労やストレスによって、
      飲み込む力が低下することがあります。

    • 食事の変化
      慣れない食事内容や、水分不足によって、
      食べ物がスムーズに飲み込めず、誤嚥しやすくなります。

  • 予防策
    • 手洗い・うがいの徹底
      感染症予防の基本です。

    • こまめな口腔ケア
      歯磨きが難しい場合は、
      ウェットティッシュやガーゼで口の中を拭くなど、
      可能な範囲で口腔内を清潔に保ちましょう。

    • 食事の工夫
      ゼリーやプリンなど、
      飲み込みやすいものを
      非常食として備蓄しておきましょう。

リスク3:精神的なストレスと睡眠不足

慣れない環境での集団生活は、
大きな精神的ストレスとなります。

また、
騒音やプライバシーの確保が難しいため、
睡眠不足に陥ることもあります。

  • 主な原因
    • 環境の変化
      プライベートな空間がなく、
      周りの人の話し声や物音が気になります。

    • 不安や孤独感
      災害のショックや、先行きへの不安から、
      不眠や食欲不振につながることがあります。

  • 予防策
    • プライベート空間の確保
      ダンボールやカーテンを使って、
      簡易的なプライベート空間を作り、
      少しでも落ち着ける場所を確保しましょう。

    • ラジオや音楽
      落ち着ける音楽を聴いたり、
      ラジオを聴いたりすることで、気分転換になります。

2. 避難所生活を乗り切るための持ち物リスト

災害時の非常持ち出し袋に加えて、避難所での生活を少しでも快適にするためのアイテムを準備しておきましょう。

  • 体を温めるもの:防寒具(フリースや毛布)、使い捨てカイロ、ブランケットなど。
  • 睡眠を助けるもの:アイマスク、耳栓、エアー枕など。
  • 衛生用品:ウェットティッシュ、アルコール消毒液、うがい薬、携帯トイレなど。
  • その他:スリッパ、エコノミークラス症候群予防の弾性ストッキング、お気に入りの本やラジオなど。

まとめ

災害はいつ起こるかわかりません。

日頃から、避難所での生活を想定し、
備えをしておくことが、
大切なやご家族の命と健康を守ることにつながります。

このブログで紹介した注意点や対策を参考に、
いざという時に備え、
安全な避難所生活を送れるように準備しておきましょう。

この記事を書いた人

藤倉 健太のアバター 藤倉 健太 日本高齢者QOL学会 理事

・了德寺大学健康科学部整復医療トレーナー学科卒業
・柔道整復師/健康運動指導士/中学•高等学校教員免許
介護施設でのリハビリ(機能訓練)や体操指導を中心に、0〜106歳までの方々の健康を支えてきました。日本高齢者QOL学会の理事として、巷に溢れる健康情報を論文ベースにわかりやすく伝えていきます。

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