親族が集まった時に話したい「介護」と「その後」のこと

お盆やお正月など、
親族が一堂に会する機会は、貴重な時間です。

楽しい思い出話に花を咲かせる一方で、
この機会にこそ話し合っておきたい大切なテーマがあります。

それは、親の介護と、その後のこと。

「縁起でもない」「まだ早い」と避けてしまいがちですが、
いざその時になって慌てないためにも、
元気なうちに話し合っておくことが何よりも大切です。

しかし、
何から話せばいいのか、
どう切り出せばいいのか分からないという方も
多いのではないでしょうか。

このブログでは、
親族が集まった時に話し合っておきたい
介護と「その後」に関する重要なテーマと、
話を進める上でのポイントを解説します。

事前に準備をしておくことで、
安心して未来を迎えるための第一歩を踏み出しましょう。


1. なぜ「今」話し合う必要があるのか?

元気なうちに話し合うことには、
多くのメリットがあります。

  • 親の意思を尊重できる
    が元気なうちに希望を聞いておくことで、
    いざ介護が必要になった時に、
    が望む生活を実現しやすくなります。

  • 兄弟姉妹間でのトラブルを回避
    介護の方針や費用負担、
    役割分担などを事前に話し合っておくことで、
    将来の家族間のトラブルを未然に防ぐことができます。

  • 冷静な判断ができる
    実際に介護が必要になってからでは、
    精神的・時間的な余裕がなく、
    冷静な判断が難しくなります。

  • 介護の準備がスムーズに
    話し合った内容をもとに、
    必要な情報収集や、
    金銭的な準備を進めることができます。

2. 親族で話し合いたい3つの重要テーマ

以下の3つのテーマを中心に、
話し合いを進めてみましょう。

テーマ1:親の意向と希望を共有する

まず第一に、
自身の考えや希望を聞くことが最も重要です。

  • どのような生活を送りたいか
    「住み慣れた家で最期を迎えたいか」
    「施設に入ることを希望するか」など、
    将来の生活についてどう考えているか。

  • 介護に関する希望
    「誰に介護してほしいか」
    「どのような介護サービスを利用したいか」など、
    具体的な希望を聞いておきましょう。

  • 医療に関する希望
    延命治療や終末期医療についてどう考えているか、
    についても話し合っておくことが望ましいです。

テーマ2:介護の役割分担と費用負担について

介護は、身体的な負担だけでなく、
金銭的な負担も大きくなります。

公平な分担について話し合うことが大切です。

  • 誰が中心となって介護をするか
    親の近くに住む人が中心となるのか、
    兄弟姉妹で交代するのか、
    あるいはプロの介護サービスに頼るのか。

  • 役割分担の明確化
    実際に介護をする人、
    情報収集や手続きを担当する人、
    金銭的なサポートをする人など、
    それぞれの役割を明確にしておきましょう。

  • 費用負担の取り決め
    の年金や貯蓄でどこまで賄えるか、
    不足分はどのように負担するか、
    事前に取り決めておきましょう。

テーマ3:「その後」、相続や財産の整理について

介護の延長線上に必ずあるのが、
相続の問題です。

この機会に、
財産についても話し合っておきましょう。

  • 財産の現状を共有
    不動産や貯金、保険など、
    の財産の全体像を共有しておきます。

  • 遺言の有無
    遺言書があるか、
    または作成する意思があるかを確認しておきましょう。

    遺言書がない場合、
    親の意向を尊重した遺産分割協議書を準備しておくことも有効です。

  • 葬儀やお墓の希望
    どのような葬儀を希望するか、
    お墓をどうするかなど、
    事前に聞いておくことで、
    の意向に沿った形で送り出すことができます。

3. 話し合いをスムーズに進めるためのヒント

デリケートな話題なので、
話し合いをスムーズに進めるための工夫が必要です。

  • 切り出すタイミング
    食事中など、リラックスしている雰囲気を活用して、
    「最近、老後のことについて考える機会があって…」など、
    柔らかい言葉で切り出してみましょう。

  • あくまで「親の希望」を聞く姿勢
    自分の意見を押し付けるのではなく、
    「お父さん(お母さん)は、どう考えている?」と、
    あくまで親の希望を聞く姿勢を大切にしましょう。

  • メモを取る
    話し合った内容は、
    後で「言った」「言わない」のトラブルにならないよう、
    誰かがメモを取り、
    全員で共有しておくことが望ましいです。

  • 専門家の活用
    話がまとまらない場合や、
    専門的な知識が必要な場合は、
    ケアマネジャーやファイナンシャルプランナー
    弁護士などに相談することも検討しましょう。

まとめ

親族が集まる機会に介護
「その後」について話し合うことは、
を大切に思うからこそできる、未来への投資です。

このブログで紹介したテーマを参考に、
まずは「の気持ちを聞く」という
小さな一歩から始めてみましょう。

そうすることで、
も家族も安心して未来を迎えられるはずです。

この記事を書いた人

藤倉 健太のアバター 藤倉 健太 日本高齢者QOL学会 理事

・了德寺大学健康科学部整復医療トレーナー学科卒業
・柔道整復師/健康運動指導士/中学•高等学校教員免許
介護施設でのリハビリ(機能訓練)や体操指導を中心に、0〜106歳までの方々の健康を支えてきました。日本高齢者QOL学会の理事として、巷に溢れる健康情報を論文ベースにわかりやすく伝えていきます。

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